「ADHD(注意欠陥多動障害)」は、“注意力が欠乏し、落ち着きがなく、衝動的”という特徴を持つ障害だ。
じっと座っていられない、同級生に暴力を振るう、先生の話を聞かない、といった子供たちが注目を集め、「ADHD」が知られていった。そして分かってきたのが、「子供だけの病気ではない。大人にもいる」ということだ。
「子供のうちに特徴が見られ始め、大人になる前に消える、と考えられていましたが、患者の追跡調査によって、“ADHDの30〜50%は、大人になってもADHDのまま”ということが分かったのです。また、子供のころは“元気がいい”と受け止められたり、親の手助けがあって問題にならなかったが、大人になって環境が変わり、社会生活に影響が生じて、初めて病院にいらっしゃるという方も少なくありません」(市橋クリニックの市橋秀夫院長)
自分や周りの人がADHDかどうかを知るにはどうすればいいか? 市橋院長に聞いた。
「物事の優先順位が決められない、片付けられない、不注意、先延ばし、順番が守れない、などが大人によく見られます」
Kさんは、上司に“この仕事は急ぎだから最優先で”と言われているのに、取引先からかかってきた電話で長々と話してしまったり、特に急ぎでない仕事を先にやってしまったりする。「これを先にやれ、と言っただろう!」と怒られると“そうだった”と思い出すが、こういうことが頻繁に起きる。
Sさんは気をつけようと思っているのに、しょっちゅう遅刻をしてしまう。その日も大事な商談があるのに、会社を出ようとしたとき“そういえば、あの仕事はどうなっていたかな”と気になり、確認しているうちに、予定の時刻を1時間もオーバーしていた。
Eさんの会社の机の上は、とても散らかっている。何を捨て、何を取っておいていいか分からず、すべて保存しようとするため、片付かないのだ。何とかしなくては、と思うが、何から手をつけていいか分からない。
Nさんはミスなしで書類を仕上げられたことがない。記入場所を間違えたり、ハンコを押し忘れたり、必ずどこかにうっかりミスがある。
「ADHDがひどいと、社会生活に適応できないほどですが、薬物療法と、コーピングという対症療法を身に付けることで、問題なく社会生活を送れるまでに改善できる。また、ADHDはうつ病の発症リスクが3倍高くなるともいわれています。社会から落伍せず、うつ病のリスクも回避するためにも、きちんとした治療を受けることです」
別表に市橋院長監修のチェックリストを用意したので、一度やってみよう!
《チェックリスト》
◇2つ以上あれば病院で相談を
(1)始めたことをやり通せないことが多い。たとえば掃除を最後までせずに途中で投げ出してしまう
(2)話を聞いているつもりが、つい別のことを考えてしまい、「聞いている?」と相手によく言われる
(3)Aということをやっている途中で、ふとBのことが気になってしまい、Aをやめ
てBに取り掛かってしまう
(4)“これをしたらどうなるか”など、考えてから行動することができない
(5)今日やるべき仕事に優先順位をつけたり、手順を考えることが苦手
(6)イライラして順番を待てない
ラジコン天国